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公益財団法人白鹿記念酒造博物館

酒蔵館のご案内

酒蔵工程

0. 秋洗い

蔵人の歌う秋洗い唄が流れるようになると、いよいよ酒造りのはじまりです。全員の蔵人がそろう冬を前に酒造道具の洗浄と点検をします。酒造りに優るとも劣らない重要な作業です。

■精米(館内には「精米」の展示はありません)玄米の外周部分にあり、酒に雑味を出してしまうタンパク質や脂質を削り取る作業です。大吟醸のような高級酒ともなると、50%以上の精白が必要となります。(ちなみに飯米は10%精白しています)

1. 洗米/浸漬

斗桝(とます)で量った白米を踏桶に入れ、水を入れて3回に分けて足で踏んで洗います。この洗い方を「七五三洗法」といい、70回、50回、30回と足で踏み洗います。寒い冬には厳しい作業でした。洗った白米は漬桶に入れて充分に水に浸します。

2. 蒸し

お湯を沸かした釜の上に、甑と呼ばれる道具を設置し、浸漬後の米を入れて蒸します。蒸すことで米のデンプンを糊化して麹菌、酵母菌の活動を助けます。館内では、昭和30年代まで使用されていた釜場の遺構もご覧いただけます。

3. 放冷

蒸しあがった米を筵(むしろ)の上に広げ、麹用・醪(もろみ)用などそれぞれの用途に適した温度にまで冷まします。この時、この地域特有の六甲颪と呼ばれる冷たくて乾いた風を利用して冷ましていました。

4. 麹つくり

麹(こうじ)は黄麹菌というカビの一種で、米のデンプンを糖に変えます。麹の胞子を種麹(別名=もやし)といい、これを32℃くらいに冷ました蒸米にうえつけ二日かけて麹を造ります。

5. もとつくり(酒母)

半切桶と呼ばれる小さめの桶に、宮水、蒸米、麹を混ぜ、酵母菌を育てます。酵母菌は、糖をアルコール発酵させるために必要で、醪(もろみ)仕込み前に優良な酵母を純粋培養します。アルコールを生み出す酵母を育てる酒母は、字の通り酒の母なのです。

6. もろみつくり

出来た酒母の中に宮水、蒸米、麹を3回に分けて仕込みます。これを三段仕込みといいます。一日目の仕込みは「初添」、二日目は仕込み休み「踊り」、三日目は「仲添」、そして四日目が「留添」と続きます。「留添」の後、17~20日でもろみつくりが終わります。

■もろみ泡の経過
留添が終わって、筋泡→かに泡→水泡→岩泡→高泡(本泡)→落泡(引泡)→玉泡→地

7. 圧搾

酒袋の中に醪(もろみ)を入れ、槽(ふね)の中に酒袋を並べて上から圧力をかけて搾り、酒と酒粕に分けます。酒袋には酒粕が残り、下の垂れ壺に新酒が垂れます。現在は機械化されていますが、昔は酒袋の中にもろみを入れ重しをかけて搾るという大変な作業でした。槽場遺構には、半地下式コンクリート製の基礎が合計4槽分確認されています。

8. おり引き/火入れ/貯蔵

搾った後の酒には少しにごりがあるので、これを取り除くことを滓(おり)引きといいます。滓引きを終えた原酒を殺菌のために62〜65℃の温度で加熱します。これを火入れといいます。日本の火入れ作業は16世紀頃から行われていました。文献での初見は1568年で『多聞院日記』の中に記載されています。出来上がった新酒は、秋までの半年間ゆっくりと眠りにつきます。この間に酒は熟成し、味が一段と良くなる灘酒特有の「秋晴れ・秋映え」のする酒になります。

9. 樽詰・出荷

酒の味を調整し、もう一度火入れをしてから吉野杉でできた木樽に酒を詰め、銘柄商標を摺りこんだ化粧菰を巻き、とじ縄をかけて出来上がります。そして各地へ船などによって出荷されました。